オーディオ顛末記（３）──いざ試聴へ！

試聴用に持参したCDは、大石学×米木康志『Quiet Lovers』・大口純一郎Trio『Big Smile』・鈴木宏昌Trio『Colgen Coler』。
『Quiet Lovers』のベースが目下の課題だが、このCD、ベースの録音を優先したあまりピアノの音はリファレンスに使えないのだ。
『Big Smile』『Colgen Color』のピアノの録音はいずれも良好で且つ対照的。
ミニコンポ並のシステムでも際だって録音の良いものはそれと分かる。

まずは福岡市の中心街にある、ネット仲間が教えてくれたA店へ。
ここは東京を中心に全国に展開している店で、福岡店はわりと最近できたらしい。
丸っこい人の良さそうな店員にFB1を検討していることを告げると、すぐに試聴の用意をしてくれた。
早速『Quiet Lovers』を聴く。ピアノに続き、ベースが出……え、こんなもの？
低音は出てる。ニュアンス的にもコントラバスの木の音が表現できてる。でも妙にこもった音でもどかしく、なにより絶対的にパワー不足。ネットで読んだ試聴 会の声との落差は好みの差で片付けるには大きすぎる気が？？？
次に「これも聴いてみられませんか？」と、国内メーカが樽の廃材で作ったスピーカ（借りたSTEREO誌にも広告があった）を聴かせてくれる。 わははは、なんじゃこりゃ(^□^;)。ボケボケに寝とぼけた、イージーリスニングをBGMに流す以外の用途が浮かばない音。ジャズ聴くにはずぇったい使 えないね。少なくとも私が知ってるジャズってのはこんな印象の音楽じゃない。
（このあたりで他に用のあった知人は店を出る）
他にブックシェルフを含め価格の近いものを３本聴くが、どれも低音にパワーがない。価格が倍ほど違うヤツを聴くとこれはさすがにしっかりした音。しかしそ こまで出しても欲しい！と思わせる音じゃない。

うーむむむ…、と首を捻っていると店員のＫさん、
「大きな声では言えないんですが、アートクルーという店があってそこならFB1もちゃんと鳴らせます。正 直言って僕では鳴らせてないんです。店の方針とし てビジュアルに力入れてるんで試聴用の機材も少ないし。実は僕も休日にそこ行って勉強させてもらってるんです。どこで買われるにせよ、一度その店に行って みることをお勧めします」
と、そちらの店の人の名刺までくれたのである。