オーディオ顛末記（１１）──納品！
FB1は入荷したけど、納品してもらおうにも家の中が人様にお見せできる状態でない(^^;)。
引っ越しから１年以上経ってるけど、マイホーム願望自体カケラもなかったもので一通りの生活ができる状態になったら片付けがストップしてし
まった。それに緊急度の低い家具はゆっくり選ぼうとしていたところにオーディオの件が持ち上がり、いよいよもって迂闊に家具が買えない事態に。（それを理
由に片付けなかったというハナシもある）
ともあれ少しは整理しないと。ところがひどい風邪はひくわ仕事は忙しいわで、当初「この辺りで納品かな」と言ってた頃になってようやく片づけに着手。期限
＝納品日を12月19日(水)に決めてしまい、それに間に合うよう掃除に励む。
さて当日。定時でとっとと帰宅し、設置予定場所を塞ぐAV機器やパソコンをバラして場所を空ける。あまりに安物のCDプレヤーは別の部屋に隠す(笑)。
何とか片付いてコーヒーを飲んでるところに松岡さんから住宅団地の入口まで着いたと電話がある。住宅団地というやつは目印になるものがないので、そのまま電
話で誘導。
ライトバンから２人がかりで荷物を降ろし、上がり框まで運び込む。メンテに出していたアンプ、細長い箱２本（スピーカ）、道具箱、ケーブル…ついでCDプ
レヤーの箱を持ち上げると松岡さん「そ、それは違う、いや、展示品持ってきてるから先にそっちで聴いて…それ20kg以上あるのに〜」へ？そんなにないで
しょ。私が難なく持てるんだからせいぜい15kgってとこのはず。（でも後で取説見たら23kgとあった。変だなあ）
アンプを抱えて階段を上がる松岡さんに「左でーす」と声を掛ける。直後。
「わっ」…はて、今の声は何でござろう？
一式すべてを２階に運び上げ、次は設置場所の検討。やはり空けておいた場所が良かろうということになる。
次はおもむろにケーブルの作成。作業する松岡さんの横で、やることのない私は飛び散った被膜や線材の屑を集めて捨てる。
松岡さん「すみませんねー、どうしてもこういう屑が出ちゃうんで」私「構いませんよ、うちはよくハンダ屑とか抵抗の足とか落ちてるから」
「……なんだってそんなもの落ちてるんです」「そりゃハンダ付けすればハンダ屑が出ます」
「…まさかハンダごてあるんですか」「だって無いとハンダ付けできないじゃないですか」ねぇ。
ここでいよいよスピーカのお目見え。茶色い段ボール箱を開けると中身は白い段ボール箱。ご丁寧に２重箱かい。これなら長野→福岡間を荷扱いの荒さに定評の
ある某運輸業者で運んだって大丈夫だよなあ。
その前にイギリスから輸送されてくるんだってば
なにせ細長いので（W200×H1000×D300）箱から出すというより箱を抜き取る動作になる。天面を開けたからひっくり返して天地逆に中箱を出し
て、中箱の底面を開けてもう１回ひっくり返せば丁度いいか。ところが外箱は簡単に抜けたのに中箱がなかなか抜けない。私がスピーカを押さえ松岡さんが箱を
引っぱってようやく抜け…た瞬間、
バラバラバラ！ 何やら小さくて重い物が床に散乱！ 箱の一番上、スピーカの上に乗せるようにして入れて
あったサービスパーツのスパイクが床にバラまかれてしまった。
フローリングが傷つかなかったのは奇跡だ。というか少々の打痕は目立たない仕様だし、それに輪をかけて私が気にしないので調べてないというのが真実だけ
ど。
＃でも家の傷をものすごく気にする人もいるので（まだ幼い自分の子供が普通に遊んで傷つけたのを怒る人なんてのも。それなら保護材にくるまって暮らせ
よなあ）、後日輸入元にメールで報告しておいた。
さあもう１本。
「箱に空気が入らなくて負圧になるから抜けないんですよね」
ってことは両方開ければ…底面と天面、両方開けるとあっさり抜けてしまった。さっきの苦労は何だったんだ？
スタンドとスピーカを置き、アジャスタで水平を出し、アンプを接続。
「じゃ、CDプレヤー聴き比べてみましょう。まずこっち（TEAC VRDS-25XS）繋ぎますね」
評価用の音源はもちろん、私をこんなところまで追いやった『
Quiet
Lovers』。
「どうですか？(^-^)」「……すっごく不思議なんですが。A店ではどうしてあんな音しか出なかったんだろう」「あはは、Ｋくん（A店の店員）もウチに
来て『どうしてここではこんな音が出るんだろう』って首ひねってますよ」
量感の豊かさ、特に低域のそれと言ったら…絶句。
次にCDプレヤーをミュージカルフィデリティ
X-RAYにチェンジ。25XSが23kgとゴツいのに対し、これは初期のパソコン用CDドライブくらいと小さい。
「こっちは高域が綺麗ですよ」
冒頭のピアノでまず気付くのは力感。25XSより２・３段階パワーのある音だ。なるほど高域は伸びやか。彩度の高い音が気持ちよく伸びていく。そしてベー
スが出…あ、あれ？？？
「…これ、コントラバスの音色のニュアンス出ませんね」「解像力は25XSのほうがずっと上ですね」「ん──、こっち（25XS）にします」
「やっぱり(笑)」
後で隣町のＭさんに聞いたんだけど、店主の山本さんも「T口さんなら25XSかな」と言ってたそうな。分かりやすいワタシ。
