時間は少し戻って盆明けの翌週。
8/23(金)・24(土)・25(日)とケイ赤城(pf)杉本智和(b)本田珠也(ds)のトリオを聴く。
日本人ではただ一人Miles Davisグループに在籍、現在はアメリカの大学でジャズを教える身でもあるケイさんの恒例の日本ツアー。私にとっては３年前から夏の恒例行事だ。
なお九州はこの３日間のみ。九州全日程制覇(笑)。でも全部家から片道１〜２時間の場所だもん^^;。
今回はツアーメンバーを知った時から面白いことになりそうだと思ってたけど、そんな期待なんて赤色巨星の前の砂粒！
一昨年までのケイさんのピアノは神経質なほどだった。それが昨年頃からタッチを変えたのが見事に結実、無遠慮に切り込む珠ちゃんのドラム、大胆すぎるほど 大胆なチャボのベースを得て、知的で緻密なサウンドに図太さが加わった。一見冷たい抽象画から巨大なエネルギーとイメージの奔流を感じ取るがごとく、血が 逆流する思いがした。ジャズが現在進行形の音楽であり続けるために必要なのは、耳新しい曲でもひねった仕掛けでもなく演奏が活きていることだと改めて確 信。是非このメンバーでライヴ盤を出して欲しいものだ。
これでも分かると思うが、私にとってライヴは疲れ取りのヒーリンググッズではない。例え静かで穏やかな曲であっても演奏者が何を言おうとしているかを 捉え、自分の中にどんな光景が浮かぶのかを見つめるのは集中力を要する作業で、“ながら聴き”で出来ることではない。 （ですからライヴで私と一緒になったかた、演奏中に不要不急のことで話しかけられても無視しますので悪しからず）
そのライヴを基準に選んだ私のシステムが楽に聴き流せるタイプの音でないのは当然か。ライヴを聴いたことのない人、あってもホールコンサートだけという人 にはこの音は理解不可能かも。
ところでケイさんのアルバム『PALETTE』のパーソネルのうち、ケイさん・井野信義さん・村上寛さんには前年サインを入れてもらっていた。今年のリズ ム隊 ２人にもサインを頼んだら…
あ〜っ！ なにしやがる！！
（注：すべて珠ちゃんの筆です）
チャボ「僕もチン（2000年までケイ赤城トリオのメンバーだった鈴木良雄氏のこと）とか書こうか♪」
珠ちゃん「次は渡辺文男（珠ちゃんの叔父上）って書こう」 こらっ、それはキミタチの落書帳ではない！
ここでケイさんが「おい珠也、これ『むらかみひらし』になってるぞ」
すると悪ガキ大王・本田珠也氏、無言でペンを取り上げ…書き直さんでよろしい！（−"−）やめれ
