８月のある日、ふと思い出した。そういや実家にもう１台、古いアンプが転がってたぞ。あれならPHONO入力あるはず。とりあえず音が出れば907Fのメンテの間をしのげる。
オットは私の実家に前からあったと言うが、あれは結婚前、オットがどこかから持ってきたものだ。
実家へ行った折にそのアンプ、PIONEER SA-620を持って帰る。わーい、軽くて楽だ。
繋いでみるとちゃんと音が出た。ただし軽くて派手な音。明るいアメリカン・ロック〜ポップスを聴くのにちょうど良さそうな感じ（決してブリティッシュ・ ロック向けではない(笑)）。それでオットが思い出す。オットの兄が学生時代にロックを聴いていたものだそうだ。ほれ見ろ。
８月下旬、毎年恒例のケイ赤城Trio日本ツアー。その九州編に、この年から博多NEW COMBOが加わった。公式サイトのBBSに「博多もあっていい、博多ならNEW COMBOがいい店だ」に書き続けたせいではまさかあるまいが。
九州編初日の小倉はイベントホールで、平日なのに開演時間が早く演奏開始に間に合わないこと、客層が違って少々居心地が悪いので見送り。
（前年は後ろにいた年輩の夫婦が交代でポリ袋をガサガサ・入れ歯をカクカク鳴らし続けるのに閉口した）
翌日の博多、金曜日は夏期シフトで会社は休み。(^-^)v
松岡さんとかっしーも「聴いてみたい」と言い出し、当日907Fをアートクルーへ持っていき、そこで２人を拾うよう手筈を決める。
当日、いったん天神でオットを降ろし、アートクルーへ。
この後、誰も予測しなかった出来事が起きる。（まあ、たいていのことは予測できないものだけど）
天神から行くとアートクルーは道の右側にある。私は片側２車線道路の右車線で対向車が途切れるのを待った。このあたりは歩行者や自転車が多く、駐車場の出入りに注意が必要だ。
やがて対向車の列が途切れるのが見えた。歩行者や自転車もいない。と、対抗車列最後尾の車が左ウィンカーを出し、店に向けて曲がりこんだ。私も続いて右折。
…人間、他人を眺めていてその行動や考えが面白いように読める時があるものだ。
先に入ったその車、はじめは店舗１階部分の駐車場に入るつもりが、道路に面した区画が空いているのに気づいて停止（続く私は車体の後ろ半分が歩 道を塞ぐ形で停止）。ここはバックで出ると歩行者や自転車でヒヤリとすることが多い。だから店舗前の区画にバックで入れておこう。ところが 途中で気を変えたので車の向きが中途半端。よく見ながらハンドル切らないと角が建物にぶつかりそう……。
 |
→→→ |
 |
| 青いのが私の車 |
その時、私の脳裏に稲妻のように閃いた。すぐ後ろに私がいるの、気付いてないんじゃ？
クラクションに手を伸ばした次の瞬間。
「ゴッ」 ヽ(⌒▽⌒；)ノ
一瞬遅く鳴ったクラクションに振り向き仰天したのは先方のほう。慌てて降りてきたのに私「まず車入れちゃいましょう、ここじゃ邪魔ですから(^^;」。
車を駐車区画に入れ、改めて降りてきた男性は平謝り。確認するとこちらは前部バンパーが皺が寄るような形で変形しボンネットの塗装が少し剥げている。先方は後部バンパーの塗装が少し剥げただけで目立った変形は見られない。
うーん、さすがはベンツ、頑丈だなあ。（そう、相手はベンツだったんです）
そうしてると店の階段をかっしーが降りてきた。「…なにやってるの？」
男性「私がこちらの車にぶつけちゃったんです〜」「ハァ？(^^;」
顔色を変えてる先方に比べ、何にせよここじゃ暑いから中に入りませんかと私はのんびりしたもの。事故馴れしてるわけじゃないですよ、誰も怪我してないし車も傷がついただけで修理すりゃ済むもーん
店主の山本さんは夏休み、松岡さんは客先、店には山崎さんのみ。
山崎さん「どうしたんですか？」 男性は当然ここのお客、仮にIさんとしようか。「今、ここの駐車場で事故しちゃったんです〜」「ハァ？(^^;」
保険屋と警察に連絡を取り、警官が来るのを待つ間も平謝りのＩさん。
私「山崎さんの前でこう言ってはなんだけど、この店で他の車がすぐ後ろに続いて入ってくるなんて夢にも思いませんよねえ^^;」
Ｉさん「すみません、夢にも思いませんでした！」
立地といい店構えといい、通りすがりの客が入ってくるような類の店じゃない。しかも平日の夕方だ。正直Ｉさんが気の毒である。
山崎さん「T口さんは今日はどこか行くんですか？」「この後ライヴ。かっしーと一緒に行くんで拾いに来たのと、ついでに907F持って来まして」
Ｉさん「ライヴですか、いいですねえ、誰のですか」
他にも秋の新製品の話などなど、和やかというか日常的な風景というか。
しばし経って警官が到着、現場で調書を作成。
警官「ところでお互いの連絡先とか、そういう話は済んでますね？」何となく心配そう。ベンツとまるで走り屋みたいなインプレッサだもんなー。でも走り屋じゃないのよ
Ｉさん「実は2人ともここの常連なんです」 看板を見上げてああ、と笑う警官。なぜだ？(^^;)
事故処理が済み、そろそろ時間もないのでかっしーを乗せて天神へ向かう。松岡さんは遅れて合流の予定。
